<プラスティック・シティ>
舞台はジャングルと、大都市が混在するブラジル、サンパウロ。
特にリベルタージと呼ばれる地域は、いろんな民族の集まる場所で、世界で最も大きな日系移民の街です。
この物語の主人公『キリン』(オダギリ ジョー)はブラジルで生まれ育った日系ブラジル人。
幼い頃にアマゾンのジャングルで『ユダ(アンソニー・ウォン)』に拾われたキリンは、
ユダを義理の父とし、そのユダが仕切るショッピングモールでブランドのコピー商品を作る裏の仕事をしてそれなりに安定した生活を送っていました。
しかし、裏の社会では貧しい町で成功するユダを失脚させようとする動きが起こり、
ついに「ユダの命が狙われる」という事件が起きてしまいます。
本当の家族以上の絆で結ばれたユダの復讐をするために立ち上がったキリン。
彼らの運命はどうなるのか・・・。
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主演:オダギリ・ジョー、アンソニー・ウォン
ブラジル版の「仁義なき戦い」と言っていいでしょう。
ギャングと言うほどの大袈裟なものではないですが、ワル同士の利権争いと絆を描いたこの作品。
<プラスティック・シティ>。
オダジョーの俳優魂を見せ付けられた作品でした!
今回オールブラジル・ロケで劇中で使われる言葉はポルトガル語と中国語のみ。
もちろんオダジョーも、ポルトガル語オンリー。
映画がスタートしたド頭はちょっと「おや!?」と思うんですが、5分もすれば
ブラジルの町とオダジョーが馴染んでいて映画の世界にハマってる。
映像が1シーン、1シーンカッコいいんです。
外壁の汚れたコンクリートむき出しのビルや、怪しげなパーティーで踊るダンサー
ジャングルでのやりとり。
どこを切り取ってもプロモーションビデオのような絵が飛び出すのでその辺りもチェックして下さい!
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基本的にはリアルなブラジル裏社会を描いた作品ですが、
物語後半にギャング同士の直接対決をするシーンがあります。
ここが見所!
ここだけ、まるで仮想現実のような、ちょっとサイケデリックな画面に変わります。
それこそこのパートだけ監督が変わったのか?ってくらいのインパクト。
「なぜこんな演出にしたのか?」
是非、見ていただいて、あれこれ議論してほしいなぁ。
鑑賞後もスルメのように楽しめる映画<プラスティック・シティ>