【散り椿】
監督:木村大作
9月27日(金)全国公開
クロサワ映画にも参加した名カメラマンの木村大作が、「劔岳(つるぎだけ) 点の記」「春を背負って」に続く映画監督第3作として手がけた時代劇。
「雨あがる」などの監督・小泉堯史(こいずみ たかし)を脚本に迎え、直木賞作家・葉室麟(はむろ りん/2017年没)の同名小説を実写映画化した。
<STORY>
享保15年。藩の不正を訴え出たために藩を追われた瓜生新兵衛(うりゅうしんべえ/岡田准一)。
追放後も連れ添い続け、病に倒れた妻・篠(麻生久美子)は、死の床で最期の願いを新兵衛に託す。それは、
新兵衛のかつての友にしてライバルであり、藩追放に関しても大きな因縁を持つ人物・榊原采女(さかきばらうねめ/西島秀俊)を助けてほしいというものだった。
妻の願いをかなえるため故郷へ戻った新兵衛は、やがてある確証を得て采女(うねめ) と対峙する。
過去の不正事件の真相や妻の本当の思いを知る新兵衛だったが、その裏では大きな力が彼を襲おうとしていた。。。
<見どころ>
鑑賞後の感想は『綺麗なものを観れたなぁ」
思わずそう話してしまうくらい景色が美しい映画でした。
木村大作監督は黒沢明作品にも参加している名カメラマンですが、インタビューでこんなことをおっしゃっています。
「黒澤監督は撮影用の町を作って撮影をした。これにはお金がかかる。同じお金を使うなら自分は撮影期間を長くして、日本の四季を撮っていくだろうね。」
まさしくこの映画は富山を拠点にオールロケーションで撮られた記録映画的側面を持つ作品になりました。
そして殺陣。
普通の殺陣の撮影は斬られた部分を隠すためにカットを割って撮影していくことが多いが
木村監督は1カットで殺陣のシーンを撮りたい。
それを察した岡田准一くんが1カットで撮れるように動きを考案して撮影をしたそうです。
この時のやり取りがまたカッコいい。
稽古で、、、
監督「(カットを割る為に)じゃあ横のポジションからも撮ろうか」と提案すると
岡田「いや、大作さん、そのポジションで最後まで通して下さい」
すると次の稽古までに1カットで撮れる様に殺陣を考えて来きた。
しかも理論的にも動きが正しい。
さらに!
岡田「殺陣は切った時よりも、切った後の形、つまり【残心】がとても大事で、武術の有段者はそこを見ます。
【残心】が決まっていないと自分も気持ちが悪いんです。」
カッコ良すぎ!!
他にも黒澤明監督からの影響として「『椿三十郎』で黒澤監督は三船敏郎さんの殺陣を(カットを)割らずに撮っていて、その現場を観ていたんですから。でも岡田くんは三船さんよりも早いと思う。」
など絶賛してらっしゃいます。
そんなインタビューを読んだもんですからボクも「椿三十郎」を観直しました。
どちらの役も剣豪で複数人の敵を斬り捨てるシーンがありましたが、確かに早くて、繊細な印象がありました。
椿三十郎の荒々しいキャラクターもありますから一概には比較できませんが。
是非みなさんも”美しい時代劇”『散り椿』を劇場のスクリーンでご覧下さい!
http://chiritsubaki.jp
9/27 全国公開
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